はじめに
「毎月の勉強会にも出てるし、技術ブログも書いてる。なのに、なぜか単価が上がらない」
「自分より技術レベルが低い人の方が、高単価案件に入っているのが納得できない」
この違和感を抱えたまま、努力を続けているフリーランスエンジニアは少なくありません。
なぜ「スキルがある人」が必ずしも「稼げる人」ではないのでしょうか。
その答えは、技術と価値の違いにあります。
1. 技術は「手段」であって「商品」ではない
スキルは手段であり、商品は課題解決そのものです。
たとえばクライアントが求めているのは「Reactの技術」ではなく、「CV率が上がるUI」です。
- ×:「ReactでSPAを構築できます」
- ○:「CVポイントの導線を改善し、ページ遷移速度も担保できます」
価値は常に相手の成果で測られます。
2. 「スキル=価値」ではなく「価値の届け方=価値」
いくら高いスキルがあっても、それが相手に伝わらなければ評価されません。
- 提案書で専門用語ばかりは逆効果
- GitHubリンクだけを見せて「見ればわかる」はNG
- 実績を話すときは「何を」「なぜ」「どう貢献したか」の3点で語る
高単価なフリーランスほど、「伝える技術」に長けています。
3. クライアントは安心にお金を払う
意外かもしれませんが、実務で評価されるのは完璧なコードではなく『安心して任せられること』です。
- レビュー前に「想定パターン全部動作確認済みです」と一言あるだけで印象は変わる
- 納期が遅れそうでも「●日までには絶対に仕上げます」と明言するかどうかで信頼度が違う
安心感のあるコミュニケーションは、信頼→リピート→単価交渉のベースになります。
4. 技術偏重になる人の共通点
- 技術力だけで判断されたい
- 会話や提案を無駄と感じる
- 目の前のタスクは完璧だが、クライアントの未来像に関心がない
これは「職人型フリーランス」に多い傾向です。
一方で稼げる人は、職人×ビジネスパートナーのハイブリッド型です。
5. 技術を売れる価値に変えるための3ステップ
- アウトプットを「成果ベース」で語る
→ 例:「SEO改善PJで表示速度を28%短縮し、直帰率が15%改善」 - 誰の何をどう変えたかをセットにする
→ 技術名ではなく「現場にどう貢献したか」で話す - 再現性ある仕組みをつくる
→ ナレッジ整理、提案テンプレ、コミュニケーションルールなど
まとめ
スキルは必要です。ですが、稼げるフリーランスになるには、スキルを届ける力が不可欠です。
もし今「努力してるのに成果が出ない」と感じているなら、それは技術ではなく伝え方と価値化の問題かもしれません。
あなたの価値は、コードではなく成果で伝わる──その視点を持てた時、フリーランスとしてのステージが一段上がります。

